大津市の石山寺で、新年に向けた恒例の「お鏡飾り」が行われた。国宝の本堂では、鏡餅とミカンを積み重ねた「仏塔」が本尊の如意輪観世音菩薩に供えられ、迎春準備を整えた。
同寺では毎年この日に鏡餅を境内各所に飾り、本尊には釈迦(しゃか)の遺骨を納めた仏塔を模した独特の飾り付けをするのが伝統になっている。今年は新型コロナウイルス感染予防のため、僧侶らによる餅つきはせず、地元住民が納めたもち米を外部の業者についてもらった。
本堂では、同寺責任役員の鷲尾龍華(りゅうげ)さん(33)ら2人が慎重に、直径15センチほどの平たい餅とミカンそれぞれ20個を交互に重ね、その上に円形の餅を5段積んだ。最後に昆布、串柿、ダイダイを載せ、高さ約40センチの塔を完成させた。
鷲尾さんは「今年はコロナ禍で皆さんが苦しい思いをした。来年は安心して暮らせるように」との思いを込めたと話した。来年1月3日まで飾り、4日に鏡開きする。
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